2016年11月25日

John Muir Trail 〜Day 8〜

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2015年9月4日

Mammoth Lakes > Reds Meadow > Purple Lake


6:35 起床 シェルター内8.4℃

キャンプサイト備え付けのテーブルで、日本人Hiker 4人で朝食を食べる。

バスが動き出すのは9時からなので、それまでに出発の準備を済まそう。
食事を食べ終わってまだ時間に余裕があったので、僕はキャンプ場で最後のシャワーを浴びた。
出発までの間、トイレのコンセントでiPhoneを充電しつつ身支度を済ます。

Yosemiteへと向かう横井くんは、バスの時間が少し早いため僕達よりも早くにキャンプ場を後にした。日本での再会を約束して。

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偶然なのか?必然なのか?この地で出逢った、目的の同じ日本人3人は歩き出した。

8:45 出発

バスを2回乗り継いでTrail HeadのReds Meadowへと行くのだが、その途中の1回目の乗り継ぎ地点で朝別れた筈の横井くんに再び会うことに。
「なんで!?」と思った僕たちは横井くんから話しを聞いた。すると、9月はYosemiteへのバスは週末しか運行されていないとの事。そこで彼は人の多いこの場所まで来てヒッチハイクでYosemiteまで行く事を試みるようだ。僕たちは次のバスの時間もあり、横井くんのヒッチハイク成功を祈って彼と別れた。
僕たち3人もこのバス事情(9月の運行は週末のみという事)を把握していなかったので横井くんのミスによってその事を知れた。

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Reds MeadowのStoreでバスを降りる。

Storeでペプシを購入し、Hiker Boxから漁ったスナックを貪った。
幾つかのスナックを行動食として頂く事にした。今まではHiker Boxから頂くとしてもジップロックに入っているような物には手を出さなかったが、今回はそんな事なんて全く気にせず漁りまくった。我ながら逞しくなったものだ(笑)

11:20 出発

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Reds Meadowの景色はとても印象的だった。
哀しいと言うか、寂しいと言うか。それは、焼けてしまった無数の木々が墓標のようだったからだ。

一緒に歩き始めた僕たち3人であったが、次第にそれぞれの間隔は広がって行く。各々、自分のペースで歩く。自分のペースで歩くのが気持ち良い。
この日は峠越えも無く、アップダウンの少ないTrailだった。ウッチーは大分前に見えなくなって、マサさんも見えなくなった。

JMT 2015

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兎に角最高の景色と同じフレームに収まろうと度々自撮りを繰り広げながら歩みを進める。

Reds Meadowから約13.8mile(約22km)、Purple Lakeに到着(17:15)
釣りをしたかった僕は、今夜はここの湖畔でCampをする事にした。
バックパックを下ろして休んでいるとマサさんがやって来た。マサさんもここでCampをするとの事。
シェルターを設置し寝床や荷持の整理整頓をしているとウッチーもやって来た。3人でCampだ。
マサさんとウッチーは食事の準備に取り掛かっていたが、僕は暗くなるまで釣りをした。でも、魚を手にする事は出来なかった。2回バイトはあったのだが・・・

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朝:バー、ニンジン、ポテトチップス、ホットコーヒー

昼:Reds MeadowのHiker Boxから拾ったスナック、ペプシコーラ

行動食:バー、Reds MeadowのHiker Boxから拾ったスナック、アイスコーヒー

夜:イタリアンスタイル・ペッパービーフライス

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2016年11月10日

John Muir Trail 〜Day 7〜

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2015年9月3日

Mammoth Lakes (Zero Day)


フカフカのベッドのお陰で随分ぐっすりと眠ることが出来た。
スリーピングマットの上で眠ることは苦ではないが、やはりベッドで眠るのは至福だ。

朝食を取る為にMOTEL 6の向かいにあるベーカリーへ行った。

JMT 2015

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朝から大勢の人達が来店していて人気店のようだ。
僕も列へとならび、サンドイッチ、コーヒー、オレンジジュースを無事に注文することが出来た。
店内奥のイートインスペースでそれらを食べていると眠そうな顔をしたウッチーがやって来た。彼女はオレンジジュースだけを購入して僕の目の前の席へと座った。このオレンジジュースが兎に角美味しくて二人して感動した。

僕は今日この後Trailに戻る予定を立てていたのだが、ウッチーの押しに負けたところもありもう一日ココMammoth Lakesに滞在することにした。「旅は道連れ」とはこの事だろうか。
ロングディスタンス・ハイキングの中でTrailを歩かない日をZero Dayと言う。日本でのHikingではZero Dayを取るなんて事は無いに等しいだろう。ココはアメリカ、JMTだ。のんびりと「旅」を楽しもうではないか。

ベーカリーを後にした僕はモーテルへ、ウッチーはお目当てのCafeへと別れた。
チェックアウトの時間まで僕はフカフカのベッドを存分に味わった。この後、JMTを歩き終えるまでベッドで眠る事が無いからだ。

モーテルをチェックアウトし、Camp Siteを探しつつ街を歩く。途中、気になったお店を覗きながら。

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「Mammoth Mountaineering Supply」と言うアウトドアショップはオススメ。
SALE中で物欲が湧いたがグッと我慢した。

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スーパーで茶色くなったバナナを貰う。

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キャンプサイトを聞こうとWelcome Centerへ行くと、そこにはマサさんがいた。マサさんもZero Dayを取っているとの事で同じCamp Siteで一泊することにした。
「Mammoth Mountain RV Park」と言うキャンプ場でハイカー・フレンドリーだ。Hiker Boxが置いてあることからもHiker御用達な所であることが分かる。案の定、JMTを歩いていることを伝えるとCamp Site利用料を二人で$13程にしてくれた。
Free Wi-Fi、シャワー、室内プールにジャグジーなんてもある。僕たちHikerにとっては十分過ぎる程だ。

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夕方には、JMTをスルーハイクし終わったばかりの日本人Hikerの横井君も合流。
彼はLone Pineの街からヒッチハイクでここまで来た。
横井君とマサさんはTeARAROAをHiking中に出逢ったらしい。TeARAROAを歩き終えた横井君はそのままニュージーランドに残りそこで半年程働いてお金を貯めてJMTに来た。そして、この後カナダに行くとの事。凄いなと思ったのと同時に羨ましくもあった。

横井君から山火事の状況を聞いたり、マサさんのこれまでのHikingに関する話や加藤則芳さんと歩いた時の話など、色々な事を夜遅くまで皆で話した。

もう一日ここMammoth Lakesに滞在し、Zero Dayを取って本当に良かった。
さもなければ、この出逢いは無かったのだから。

朝:サンドイッチ、コーヒー、オレンジジュース

昼:バナナ2本、ビール

夜:カップヌードル、ナッツ2袋、ビール、チョコレート

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2016年10月04日

John Muir Trail 〜Day 6〜

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2015年9月2日

Johnston Lake > Reds Meadow > Mammoth Lakes


6:40 起床 シェルター内3.4℃(薄手のメリノロンT、ダウンJKT、メリノタイツ)

シエラネバダの空気はとても乾燥している為、この数日間で僕の鼻はかなりヤラれていた。
朝、目を覚ますと先ず鼻に違和感を感じる。大量で大きな鼻クソがそうさせるのだ。
昨晩は湿らせた手拭いを鼻の上に被せて寝た。そうしたら、多少はマシな朝を迎えることが出来た。これから毎晩、保湿しながら寝ることにしよう。

9:00 出発

1時間半程歩いたところで橋が現れた。
Trailから逸れて川へと下りる。
川を覗くとトラウトが泳いでいるのが確認出来たので、バックパックを降ろして竿を伸ばす。

JMT 2015

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30分程、竿を振ったが2回アタリがあっただけで魚を釣る事は出来なかった。
Reds MeadowにあるStoreを目指して再び歩き出した。そこで売られている「シュワッ!」とした飲み物を目指して。

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DEVILS POSTPILE

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昼前にReds MeadowのStoreに着くと、そこにはMatt達が居た。彼等はシャワーを浴びていたようだ。
ここには、Storeの他にレストラン、トイレ、シャワー、ランドリーがある。

バックパックを降ろすと、先ずはStoreの入り口横にあるハイカーズボックスを覗き中を漁った。
宝探しのようでワクワクする。
ジップロックに入れられた得体の知れない食べ物は敬遠して、きちんと包装されている食べ物をいくつか貰うことにした。

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Storeはとても充実した品揃えでここで充分補給出来るだろう。
僕は楽しみにしていたビールとポテトチップスを購入して、外のベンチでそれらを胃の中へと流し込んだ。

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するとMattが「ビール良いね!」って話し掛けて来て、暫く彼と話しをした。僕の片言の英語を真剣に聞いてくれて、理解しようとしてくれているのが伝わって嬉しかった。
Mattに「instagramやってる?」と聞かれてフォローしてくれた。Wi-Fiが繋がったらMatt達三人をフォローしよう。
「そのシューズ調子良いの?」と聞かれた僕は「ALTRA知ってる?」と聞く。MattはALTRAを知らないようだったのでトレイルランニングシューズだよと教えた。
これまでにも「Trail」と言う単語を発音する機会が何度かあったのだが、僕の発する「Trail」は中々相手に伝わらない。英語の発音は難しい…

Matt達はレストランで食事をしてからTrailに戻るらしい。食事に誘われたが、この後Mammothの街へ向かう僕は彼等と食事をせずにバスに乗り込んだ。
彼等とはまたどこかで会うだろうと。。。

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イラストで描かれたMapが素敵だった

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公共機関に乗る時はいつもドキドキする。
バスの運転手に何度も確認をしてバスに乗った。
無事に乗り換えに成功し、目的地のモーテルへと向かう。

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Trailから街へと下りるのがいかにもLong Distance Hikingぽいし、街に下りて補給をしながら歩くのがLong Distance Hikingだ。
僕は数日振りの街にワクワクした。

MammothではMOTEL6に泊まる事を決めていた。
予約はしていない。飛び込みでチェックインをする。
事前の調べで、スルーハイカーは$40〜$50で泊まれると思っていたんだが実際には$100程…
スルーハイカーである事を伝えると10%割引してくれたが、Wi-Fiの利用料を加えて$98.29だった。値上がりしたようだ。

JMT 2015

先ずは、真っ黒に汚れた身体を洗い流す。
一度洗っただけでは汚れは落ちず、四回はゴシゴシと洗い流した。
綺麗になった身体で、真っ白なシーツの敷かれたふかふかのベッドへダイブをした。最高に気持が良い。
部屋の電話が「プルルルル」と鳴る。ドキッ!としつつも受話器を上げるとウッチーからの電話だ。彼女もMOTEL6に到着して、受付から内線で電話をしてきていた。
僕は、彼女の待つ受付へと下りて行った。
するとそこには一人の日本人男性Hikerも一緒だった。
彼がマサさんだった。

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日本を発つ前にHiker’s Depotの方達からマサさんの事を聞いていた。
Trailで会うかも知れないと。
遠く離れたアメリカの地で、まさか本当に会うことが出来るなんて。
マサさんはプロのハイカーとして活動している。アメリカ三大トレイルのPCT、AT、CDTをスルーハイクしトリプル・クラウンを達成した数少ない日本人だ。そして、ニュージーランドのTe Araroaもスルーハイクしている。

三人で情報交換をする。
マサさんの話によるとMuir Trail Ranchの先で山火事が発生しており、引き返すHikerもいるとの事。
場合によっては迂回ルートで歩く、あるいは街に下りてバスでSkipする事も考えなくてはならないとの事だ。
一つ不安要素が出来てしまった。

ウッチーはこのモーテルに泊まることにしたが、マサさんは値段が高いとの事でCamp Siteを探してそこに泊まると言い僕たちと別れた。

その後はモーテルのランドリーで洗濯をしてから、少し街を散歩した。
街のアウトドアショップでフリーズドライの食料と毛鉤を購入。
モーテル近くのピザ屋でピザ生地のタコスをビールとコーラで流し込んでそれを夕食とした。とても美味かった。
ピザ屋からの帰り道、マンモス・リカーと言う酒屋のネオンに吸い寄せられてビールとジャーキーを買いモーテルへと戻った。

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ビールの種類の多さにテンションがアガる

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朝:焼米、ふりかけ

昼:ポテトチップス、ビール

夜:ピザ生地のタコス、ビール、コーラ、部屋に戻りビールとジャーキー

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2016年03月01日

John Muir Trail 〜Day 5〜

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2015年9月1日

Map11 Donohue Passを越えた先、Marie Lakesへの分岐10030ft地点手前の小さなUnknown Lake > Johnston Lake


JMT 2015

6:40 起床 シェルター内0.2℃(薄手のメリノロンT、ダウンJKT、メリノタイツ、ダウンパンツ)

この日の朝の行動はとてもゆっくりとしたものとなった。
シュラフの表面を結露させ、外の草達を薄っすらと白く凍らせた冷たい空気がそうさせた。今までより随分と冷え込んだ為、中々シュラフから出ることが出来ない。

山々の向こう側から東の空に浮かび上がって来る太陽、そのエネルギーを全身で受け止めた。
ジワジワと暖かくなるのを感じる。そして太陽の偉大さを実感する。

振り返れば高い所にはまだ月がある。
太陽と月が共存する空。その空の下の方にはシエラネバダの山々が360度ぐるっと表情豊かに存在している。
きっと僕の周り半径数百メートル、いや数キロメートルには誰一人居ないかも知れない。この美しい朝を僕は独り占めした。

JMT 2015

JMT 2015

9:15 出発

なだらかなTrailを進むと小さな川が何本か現れ始めた。昨日のうちにここ迄歩いて来て、この辺りでCampをしていればアノ綺麗とは言いがたい水を飲まずに済んだのにな...と思ったが、そうしていたら今朝の素晴らしい朝を体験することは出来なかっただろう。そう思うとアノ水を飲んだことは決して悪いことでは無かったと思えた。

JMT 2015

Trailの脇を流れる川にはトラウトがボケ〜っと漂っているのが目に見える。Fishermanとしての血がうずき出し、川が気になって仕方がない。僕はチラチラと川の中を覗きながらTrailを進んでいた。
とうとう我慢の出来なくなった僕はバックパックを下ろしサイドポケットからテンカラ竿を取り出した。スルスルスル〜っと竿を伸ばして毛鉤を結んだ。Trailを歩く時とは違って、静かに忍び足で川辺に立った。ちょっと足場は高いが木の影に身を潜めて竿を振る。トラウトの数十センチ目の前に毛鉤を落とすと「スー」っと近寄って来た。「喰えっ!喰えっ!」と心の中で念ずる。「じ〜っ」と毛鉤を見つめているが直ぐに「ス〜」っと明後日の方へ行ってしまった。15~20分くらいだったろうか。何度もトラウトの目の前に毛鉤を落としたが結果は同じだった。JMT初テンカラは不発に終わった。
諦めた僕は再びTrailを歩き出した。
この日のTrailは今まで以上に素晴らしく、トラウトが釣れなかった悔しさなんて直ぐに忘れさせてくれた。

Island Passを越えると素晴らしい景色が待っていた。

JMT 2015
Thousand Island Lakeでの一枚

ここまでにもいくつもの湖はあったのだが、Thousand Island Lakeは特別だった。
大きな水面とその向こうに見える一際高い山、そしてその周りを染めるシエラブルーのグラデーション。それらが作り出す景色は本当に美しかった。
水面に浮かぶいくつもの島を見れば、湖の名前の由来を想像するのは容易だった。

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Garnet Lake

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JMT 2015

Thousand Island Lake、Garnet Lakeのダイナミックな景色は勿論素晴らしかったのだが、そのダイナミックさの後に現れるShadow Lake、Rosalie Lakeの静かな佇まいも素晴らしかった。

脚の疲れなどは全く問題無いのだが、午後になると肩に痛みが出始める。肩のストレッチなどをしながら歩いた。そして、ウエストベルトを結構ガッチリと締めて荷重を腰に乗せた。

Trinity Lakesにストーンサークルがあり、今夜はキャンプファイヤーをしながらCampが出来ると思った。隣に、年配のご夫婦がCampをしている。僕はその奥さんに向こうのストーンサークルでCampをして良いか尋ねた。すると、奥さんは湖で釣りをしている旦那さんに聞いた。直ぐに返事は帰って来ず、その空気はウェルカムな感じでは無かったので僕はTrailを先に進んだ。
そこから直ぐの所にも湖がありCampをするのに良さそうだった。しかし、ここにも先客が居た。また、さっきのような空気になるのは嫌だったのでここもパスして更にTrailを進んだ。

Johnston LakeでTrailの先にTuolumne MeadowsのCamp Siteで食料を分けてくれた三人組のMatt達を見掛けた。彼等は更に先に進んで行ったが、僕はTrailから湖畔の方へ入って行った。

18:15 Johnston Lake着

JMT 2015

シェルターから3mくらいの所に一匹の鹿がやって来た。彼は僕をチラッと見ると気にもせずに木の葉っぱをムシャムシャ食べている。全く逃げようとする気配は無い。僕は暫く「じ〜っ」と見ていたが、彼は暫くしたらノソノソと去って行った。

今日歩いたセクションはとても華やかで「これぞ JMT」といった感じがした。
こんな素晴らしいTrailを歩いている僕はなんて幸せなんだろう。


朝:焼米、ふりかけ、味噌汁

行動食:Garnet LakeでBar、Shadow LakeでBar、アイスコーヒー

夜:スパゲッティ・ミートソース(前日の残り)

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2016年02月28日

John Muir Trail 〜Day 4〜

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2015年8月31日

Tuolumne Meadows > Map11 Donohue Passを越えた先、Marie Lakesへの分岐10030ft地点手前の小さなUnknown Lake


6:15 起床 シェルター内7.0℃

JMTを歩くHikerの朝は意外とノンビリとしている。
シェルターから出て周りを見渡すも他のHiker達はまだ眠っているようだ。
ここのCampgroundsにはSite毎にベア・ボックスが設置されているのだが僕のSiteのベア・ボックスはロックが壊れていた。その為、日本人女性ソロ・ハイカーのウッチーのSiteのベア・ボックスを一緒に使わせて貰った。その中から食料を取り出して、Camp Site備え付けのウッドテーブルで朝食を取ろうと支度をしていたら黄緑色のMSRのテントのジッパーが「ジーッ」と開きウッチーが起きて来た。彼女が湯を沸かそうとガスバーナーのレバーを捻りライターを「カチッ、カチッ」とやるのだがその動作がぎこちなくとても危なっかしい。そして、彼女自身も凄く怖がっている。そう言えば昨日、彼女がMSRを設営中にペグの打ち方がイマイチ分からないようだったので教えてあげた。僕は「この先、ウッチー大丈夫か...?」と思った。
朝食後、僕はいつものようにパッキングを済ます。ウッチーもGossamer GearのMariposaに道具を詰め込み終わったようだ。
ピーターに別れの挨拶をしようとしたが、彼はまだ眠っているようなので挨拶はしなかった。僕とウッチーはCamp Siteを後にして歩き出した。

8:15 出発

ウッチーが水とライターとサングラスを買うと言うのでStoreへ寄った。僕はRed Bullを買って一気に飲み干し「ゲフッ」と気合注入。
ウッチーがライターを買うのを躊躇している。そんな彼女に「ライターは2個持ってた方が良いよ」と言うと、彼女は「YOSEMITE」とプリントのされた「いかにも」お土産なライターを$4程で渋々購入していた。二人して「高いね〜...」と言いながら僕たちはバックパックを再び背負ってTrailへと入って行った。
ウッチーのJMTがSTARTだ。ワクワクしているのが分かった。むしろ、JMTを歩くのにワクワクしない人なんていないだろう。

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Tuolumne Meadows Wilderness Center前に列ぶHiker達

パーミットを取得する人がどのくらい並んでいるのか気になった僕はTuolumne Meadows Wilderness Centerを覗きに行った。
この時、時刻は8:50。パーミットの受付は11:00からなのに、そこには10人くらいが並んでいた。

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草原の中に伸びるTrailはゆったりと流れる川と平行して続いている。とても気持ちが良く、いつまでも歩いていたいと思うのと同時にいくらでも歩ける気さえする。
川はとても透き通っており、流れに逆らってじっとしているトラウトの姿がはっきりと見える。トラウトの少し先に毛鉤を落とし流れに乗せてくれば一発で喰ってきそうな雰囲気だ。竿を出したい気分は山々だったが、今は兎に角歩くのが楽しい。僕とウッチーはグングンと歩いた。

向こうから一目でそれと分かる二人組が歩いて来た。レンジャーだ。パーミットを見せるように言われたので提示した。後にも先にも、パーミットの提示を求められたのはこの時が最初で最後だ。

川に下りられる所を見つけると、お昼頃だったので休憩を取ることにした。川で脚を洗い頭を洗ったり、昼食を食べたり、昼寝をしたり。1時間程くつろいだ。とても気持ちが良かった。この時初めてのんびりと昼休憩をした。今まで一人で歩いていた時は休憩もしないでひたすら歩いていたのだ。時間が許されるのならば、のんびりと休憩を取りながら歩きたい。

このいつまでも歩いていたいと思うTrailはいつまでも続くはずは無い。峠越えに備えて登りになる。いくつものスイッチバックを繰り返す。次第にウッチーのペースが遅くなる。彼女は歩きながら「今日、Donohue Passを越えるかどうか」悩んでいたようだ。初日から無理をするのは良くない。彼女は峠手前のUpper LyellでCampをすることを決断した。僕とウッチーは二日後にMammoth Lakesの街で再会出来ることを願ってLyell Fork Bridgeの先で別れた。

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すこぶる調子が良い。僕はガシガシ上り坂を登った。
前日、早い時間にCamp Siteに到着してたっぷりと身体を休める事が出来たからなのか。ハンバーガーやポテトを食べてガッツリとカロリーを摂取出来たからなのか。身体がJMTに慣れたからなのか。きっとそれら全てだろう。そして、決め手は今朝飲んだRed Bullのお陰で翼が生えたからに違いない。僕はその翼でシエラネバダの青い空に羽ばたくような勢いでDonohue Passを目指した。

途中、池で泳いでるグループがいた。気持ち良さそうだ。そして、この標高でも水が豊富にあるのは凄い。

JMT 2015
Donohue Passでの一枚

一気にDonohue Passを越えた。
峠を越えると目の前には新たな風景が広がる。その見下ろす景色が兎に角素晴らしい。この景色の中を、更に先の景色の中を歩きたいという気持ちが現れ、それが僕の脚を動かすエネルギーとなる。

「えくすきゅーずみー。くどぅゆーていくあぴくちゃーふぉーみーぷりーず?」とぎこちなくHikerに話し掛け写真を取って貰った。写真を撮って貰えたと言う事は、僕の英語が通じたと言う事にしておこう。

峠を下ると暫く平らなTrailを歩き、今夜のCamp地を決めた。

17:20 小さな池の横に到着

そのうち干上がってしまいそうな池で水中には虫が沢山いる。普通ならばこのような水質の水は飲まないだろう。他に良さ気な水場が見当たらなかったので仕方なくココでCampをすることに決めた。

JMT 2015

暗くなり始める頃にはシュラフに潜り込んだ。シェルターから頭だけ「ヒョコッ」と出して暫く夜空を見上げていた。徐々に空が濃紺色に染まって行く。真っ暗なはずなのに山々の姿が黒く浮かび上がって見える。そして、山々と空との境目は薄っすらと明るい。今度は空高い所にポツリポツリと星が輝き出す。その輝きは次第に増えていく。僕は空と星を眺めていたらいつの間にか眠ってしまっていた。
どのくらい時間が経ってしまったのか分からないが「パッ」と目が覚める。空にはギッシリと星がギラギラと輝いている。本当にギラギラとだ。こんなのは見たこともない。まさに「星が降ってきそう」とはこの事だ。それからまた暫く僕は空を見つめていた。流れ星を数えながら。
この星空をいつか、愛する人、家族、友人と一緒に見たいと思いつつ僕はシェルターの中に頭を引っ込めて再び独り眠りに就いた。


朝:ベリーデニッシュ、プチトマト、バナナ、Red Bull

昼:バー、アイスコーヒー

夜:スパゲッティ・ミートソース半分(ヒロさんに貰ったMountain House)、バー
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