
2015年8月27日
San Francisco > Yosemite
二段ベッドの上で目が覚める。枕元に置いておいたPRO TREKに目をやるとまだ2時だ。眠りにつこうと再び目を閉じるものの、これから始まる「旅」の事を色々と考えて眠ることは出来なかった。無事にYosemiteまで行きパーミットを取得することが出来るのか?Thru-Hike出来るのか?どんな素晴らしい景色が待っているのか?ドキドキとワクワク、そんな事を4時迄考えていた。
同部屋の人を起こさないよう静かに身支度をしてホステルを出発したのは4時15分。昼間とは打って変わってサンフランシスコの街は静まり返っている。バス停に到着するとベンチにはホームレスが眠っていたので少し離れた所でバスの到着を待つことにした。

定刻の4時45分になってもバスがやって来る気配はない。少し不安になりながらも「ここはアメリカだからそのうち遅れて来るだろう」と待つこと15分程、それらしきバスがこちらに向かって来て目の前で停車した。
扉が開きバスに乗り込む。ドライバーにチケットを見せQRコードをスキャンするがエラー。なんと!チケットの購入ミス。amとpmを間違えて購入してしまっていたのだ。さて、どうしたものか。5分程バス停で考える。このチケットの時刻のamの時間で出発するAMTRAKがあると思い込んでいた僕は急いでタクシーを捕まえてEmeryville駅へ向かった。
タクシーに乗り込み、ドライバーに電車のチケットを見せて発車時刻迄に駅に行けるかを聞く。勿論、片言で。殆どはパッションで何とかし、ドライバーから「OK!」を貰う。彼もプロだ。発車時刻迄に着くように、いつもよりアクセルを深く踏んでいた事だろう。が、しばらくしたらドライバーから一言。「iPhoneで場所を教えてくれ」って...。おいおい...と思いつつもGoogle Mapsを開いて駅の場所を調べるもオフラインの僕のiPhoneでは駅を見つけることが出来ない。ドライバー「近くまでは来ているはず」。タイミング良く歩行者を見つけたドライバーは窓を開けてその人に駅の場所を尋ねると目の前が駅だった。親指を突き上げ「Good job!」と言いタクシーを降りた。その時のドライバーの表情はとても嬉しそうだった。それは、かなり多くのチップを渡したからだろう。
まだ、電車の発車時刻前だ。
窓口で、間違えてチケットを購入してしまった事を伝え交換して貰うも1番早い時刻の電車は7時40分発らしい。完全なる勘違いだったようだ。こういったトラブルも旅の良い想い出となる事だろう。

駅のベンチで待つこと2時間。AMTRAKがやって来た。
車窓から眺める景色はいくら見ていても飽きることは無い。電車での移動がより一層「旅」感を演出する。


車掌にMerced駅まであとどのくらいか尋ねると丁寧に教えてくれた。駅に着く直前には僕の所までやって来てわざわざ教えてくれた。そして、無事にYARTSのバスに乗り換える事が出来、ほっとした。
バスからの景色もこれまた飽きることは一向に無い。雄大な大地をひたすら進んでは田舎街のバス停に停まる。それらを繰り返していくと、次第にバスは谷へと入って行く。灰色の巨大な岩、山々が近づいて来る。こちらに迫ってきそうなエルキャピタン、川底までくっきりと見えるMerced川、一目でそれだと分かる形のハーフドーム、それらに感動しつつYosemite Visitor Centerのバス停に降り立った。
遂に来た!という思いに浸る間もなく、パーミットの取得に急いだ。そして、Yosemiteは暑い。ハーフパンツを持って来て良かった。

Wilderness Centerに到着したのは14時前。
今回の旅の最大の難所と言っても過言ではない、パーミットの取得が始まる。
レンジャーにJMTをThru-Hikeしたい事を伝える。今日のパーミットがあるか聞くも、無い。明日のパーミットが1つあるとの事。やった!僕は一安心したのと同時に凄くドキドキした。一通り手続きをして、レギュレーションの説明を受け、無事にパーミットを取得したのだ。これで晴れてJMTを歩く事が出来る。出発前に一番の心配事であったのがパーミットの取得だ。心配事から開放された瞬間だった。
Wilderness Centerから出ると一人の男性に声を掛けられた。「何処のブランドのバックパックだ?凄く良いね!」とバックパックを褒められた。「山と道と言う日本のメーカーだ。Mountain & Trailだ」と教えた。パーミットを取れた事を話すと「ラッキーだね!」と言われた。やはり、今年はパーミットの取得が難しいのだろう。
無料のシャトルバスに乗り18番のバス停で降りる。今夜はNorth PinesのCamp場の奥にあるBackpackers’ Campgroundsで一夜を過ごす。


Camp Siteに向かう途中にあった糞にドキドキした。決して僕はスカトロが趣味な訳では無い。それが熊のものであると思ったからだ。しかし、直ぐにそれが熊のものではなくて馬のものだと分かりほっとした。


Locus GearのKhufuを設営しベアキャニスターや食料をベア・ボックスに入れてCurry Villageへと向かった。ここにはお店やアウトドアショップ、レストランがあり、多くの観光客で賑わっている。
Curry Village周辺を散策し、ピザとビールを購入し夕食とした。ビールの種類がとても豊富で、ビール好きの僕には嬉しい。


Hyperlite Mountain GearのSouthwest Pack、GOLITEのJAMを使っているカップルが隣のCamp Siteに。
いよいよ明日から僕のJMT Thru-HikeがStartする。
どんなTrail、どんな景色が待っているのだろうか。
今日は朝早くから起きていてビールを飲んだことも手伝って、シュラフに潜り込んだらあっという間に眠りについた。
夜中に目が覚めて空を見上げると、沢山の星が輝いていた。
朝:Emeryville駅で買ったサンドイッチ、ポテトチップス、コーラ
夜:ピザ、ビール2本
