2015年12月05日

About John Muir Trail

JMT 2015 278.jpg

John Muir Trail (ジョン・ミューア・トレイル/JMT)とはアメリカ合衆国 カリフォルニア州東部のシエラ・ネバダ山脈を縦断するロング・トレイルである。
北の起点はYosemite Valley内のHappy Isles(標高1,230m)、南の起点はアメリカ本土最高峰のMt. Whitney(標高4,418m)。
この2つの地点を結ぶ約340kmのトレイルがJohn Muir Trailである。しかし、実際にはMt.Whitneyからトレイル・ヘッド(登山口)のWhitney Portalまで下りなくてはならないので更に約17.6km長くなる。途中、観光名所のHalf Domeへ登ると勿論更にその距離は伸びる。

JMT-map.jpg

ヨセミテ国立公園、セコイア国立公園、キングス・キャニオン国立公園、ジョン・ミューア・ウィルダネス、アンセル・アダムス・ウィルダネスという 5つの自然保護区を歩き、10ヶ所のパス(峠)を越えていく。
途中、一旦トレイルを外れ街などに下りて食料などを補給しながら歩く事となる。

ジョン・ミューア・トレイルという名称からジョン・ミューアがこのトレイルを作ったと思われがちだが、ミューアの死去後 1915年にシエラ・クラブがカリフォルニア州議会で決議を勝ち取り最初の予算1万ドルでトレイルの整備が始められた。それから23年の歳月を経て1938年 Mather Pass周辺の整備によって完結した。ジョン・ミューア生誕100年後の出来事だ。

johnmuir.jpg

ジョン・ミューアは1838年4月21日 スコットランドで産声を上げた。彼は、農夫、発明家、牧夫、ナチュラリスト、探検家、作家、そして環境保全主義者と多くの顔を持つ。
1849年、ミューア一家はアメリカ合衆国に移民することを決意する。
1867年、ミューアはインディアナポリスにある馬車の部品を扱う店で仕事中に目を負傷し一時的に失明した事を機に、彼が本当に見たいものは自然界そのものだと認識したのである。その1ヶ月後には視力は回復した。
そして、ミューアの放浪の日々が始まった。
インディアナポリスからメキシコ湾まで1,600kmを歩きキューバまで航海しパナマ地峡を渡り西海岸に到達、1868年3月 サンフランシスコに上陸したのである。そこでミューアを魅了したのがシエラネバダ山脈とヨセミテだったのだ。
その夏、ミューアは羊を率いてヨセミテに移り住んだのである。29歳の時であった。
彼は愛するシエラネバダ山脈、ヨセミテを幾度と無く散策した。そこで氷河を発見しヨセミテ渓谷が氷河によって削られて出来上がったという学説を生み出した。
後年、彼は執筆活動に力を入れる。
「センチュリー」誌に一連の記事を掲載して、山間部草原地帯が放牧によって荒廃し危機的状況であることを訴えた。そして、同誌の編集者であるロバート・アンダーウッド・ジョンソンの協力の下その救済に取り掛かった。1890年には二人の多大な努力によってヨセミテ国立公園の制定が国会で決議されたのだ。
ジョンソンをはじめとする人々は、ヨセミテ国立公園を保護する組織の設立をミューアに提案した。そして、ミューアは1892年にシエラ・クラブを設立しその生涯を終えるまで会長を務めることとなる。「自然の保護は、自然を知るところから始まる」との思いから、多くの人を森に誘い出し自然教室を開くなど、その素晴らしさを体験させて「自然と人間との共生」を説いた。
第26代大統領セオドア・ルーズベルトはミューアに関心を抱き1903年にヨセミテに居るミューアのもとを訪問しミューアの情熱に心を動かされ、今に繋がる国立公園の理念を確立させていった。
ミューアとシエラ・クラブはヨセミテやシエラネバダ山脈を守るために幾多の闘いを繰り広げた。代表的なものは森林伐採・ダム建設の反対運動であった。西部開拓の嵐が吹き荒れていた頃、ゴールドラッシュで人口が急増した西海岸の人々が、豊かな森に豊富な水を蓄えたこの地に目を付け開発しようとした。ミューアはそれに真っ向から異議を唱えシエラネバダの大自然を命懸けで守り続けた人物なのだ。
そんな彼は「自然保護の父」と呼ばれている。
それらの偉業を讃えて作られたのがジョン・ミューア・トレイルなのである。

JMT-map2
posted by devilhead at 03:50| Comment(0) | TrackBack(0) | JMT Thru Hiking 2015
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/169290416

この記事へのトラックバック